先日癖毛を活かしたカットと髪質改善を行ったところ毛先がまとまらずに手に負えません。
どうにかする方法はありますか?
これまでの施術履歴を確認したところ次のような回答をいただきました。
- 4ヶ月ほど前に縮毛矯正をかけていた
- 動かすスタイルよりも治るスタイルの方が好み
- スタイリングをすることはあまりないのでお手軽なスタイルが希望
このような場合を考えると縮毛矯正を辞める選択よりも縮毛矯正を継続していく方が理想に近づけると思います。
長さは変えないとしても縮毛矯正をかけて納まりをつくった方がお手入れも楽だと思います!
ということで縮毛矯正をやめる為に行った癖毛カットを縮毛矯正で修正していきます。
(縮毛矯正をやめることを否定しているわけではなく、向き不向きの問題で今回のお客様は不向きだと判断をしました。)
目次
癖毛カットをしたら跳ねてまとまらない:縮毛矯正をかける前
まずはご来店時の状態を確認していきます。
根元から6cmほどが癖毛が伸びてきている状態で毛先部分は縮毛矯正が残っている状態です。
毛先が跳ねる原因としては
- カットの問題
- 縮毛矯正の問題
があると思います。
カットは形を作る上では跳ねやすい長さにならないことや梳(す)きすぎないことを意識しなければいけません。
また、縮毛矯正が残った状態でバッサリと切ったことが今回の失敗の原因を作り出しています。
後述しますがタイミングの見極めやお客様に伝えることも美容師として重要な役割だと思っています。
本音を言えばカットも行いたいところですが、この後伸ばしていきたく切ったばかりということなので縮毛矯正のみで修正を行っていきます。
癖毛カットをしたら跳ねてまとまらない:縮毛矯正をかけた後
縮毛矯正をかけた仕上がりです。跳ねていた毛先も自然に収まってくれていると思います。
何よりもお客様自身が気に入ってくれていたのでOKです。
縮毛矯正をかける前にご心配されていたのがショートスタイルで縮毛矯正をかけたらツンツンとしたパッツンストレートにならないか?ということでした。
今回はそこに配慮をして自然な内巻きに見えるように縮毛矯正をかけていきました。
ご自宅でのケアとしては乾かして保湿のためにオイルをつけてもらえば完成のお手軽スタイルです。
普段はスタイリングは何もしない!というお客様でも再現可能です。
なぜ癖毛カットがうまく仕上がらなかったのか?
それにはいくつかの原因が考えられると思います。
- カットをするタイミングが早すぎた
- お客様との仕上がりイメージの相違
- くせ毛を生かした髪型の向き不向き
順番に解説をしていきます。
カットをするタイミングが早すぎた
縮毛矯正をやめる際に1番注意するべきポイントは切るタイミングです。
例えば今回のように切った後に根元が癖毛、毛先が縮毛矯正という状態ではほぼ100%失敗します。
縮毛矯正をやめる際には癖毛部分を完全に伸ばし切って、仕上がった状態が根元から毛先まで全て癖毛の状態にする必要があります。
今回のお客様は最後に縮毛矯正をかけてから4ヶ月ほどが経過していたそうですが、実際には1年半〜2年くらいの期間を明けてからチャレンジする必要がありました。
お客様との仕上がりイメージの相違
くせ毛を生かした髪型はウェーブスタイルが基本です。
艶々のストレートスタイルを表現することはまず難しいでしょう。
ストレートスタイルを作るのであれば今回のようにカットと縮毛矯正を併用した施術が必須となります。
お客様のイメージされているくせ毛を生かした髪型は本当に縮毛矯正をやめる選択がベストなのか?ということも含めて美容師としての意見をお伝えして方向性を決めていくことも大切ですね。
くせ毛を生かした髪型の向き不向き
くせ毛を生かした髪型を作るには寝起きでOKというほどスタイリングが楽ではありません。
むしろ朝のセットは比較的しっかりと行わなくてはいけないことが多く、はっきりと言えば手間はかかります。
ストレートスタイルのようにノーセットで済ませたいのであれば縮毛矯正がかかっていた方が数倍手軽さを味わうことはできると思います。
くせ毛を活かすという選択を否定しているわけではありません
むしろくせ毛を生かすという選択はお客様の髪の毛という素材本来の良さを引き出すということなので個性が垣間見れて素敵な選択だと応援をしております。
ただし切る前のイメージやお手入れに関する事前知識、また実際にバッサリと切るタイミングなどが今回のケースではズレが生じていたのだと思います。
何事にも準備とお客様と美容師の信頼関係が大切です。お悩みの方は是非ご相談ください。