酸熱トリートメントはトリートメントという位置付けなので縮毛矯正とは違います。
酸の力を使う事で
- 髪の表面を引き締めて艶を出す
- 髪の内部の隙間を埋めて強くする
事ができます。
例えば髪の表面が整っていない事で起こるザラつきや髪の内部が空洞化する事で起こるうねりなどを改善することはできるので、そういった意味では癖を伸ばす(緩和する)効果は期待できます。
ただし縮毛矯正と違って一定期間で酸の効果が切れてしまえば、元の状態に戻ってしまいます。
髪へのダメージがないメリットの反面で縮毛矯正と比べると効果は長く持続できないといった面で違いがあります。
この記事では酸熱トリートメントの基礎的な部分を解説していきます。
目次
酸熱トリートメントでは癖を伸ばすことはできない
というお声が聞こえてきそうですが、実際に癖を伸ばすことはできません。
あくまで髪のバランスが崩れて癖が現れている部分を緩和する事ができるという事が正しい表現となります。
癖を伸ばすと言えば縮毛矯正をかけたような仕上がりを想像されてしまいますが、実際にはそこまでの効力はありません。
インスタグラムをはじめとしたSNSで見かける艶々の仕上がりはアイロンでスタイリングをした後の状態です。
癖を伸ばす事ができるのは縮毛矯正、髪の状態を整える事ができるのは酸熱トリートメント
まずはの違いを覚えておきましょう。
酸熱トリートメントの定義はまだ定まっていない
海外では酸を使用した施術は当たり前のように使われていましたが、それが日本に入ってきたのはついこの間です。
そのため、まだまだこれ!といった定義が定まっていない事が現状です。
例えば酸熱トリートメントを取り扱う美容院で施術を受けたとしてもお店ごとに施術プロセスや考え方が違います。
料金がまちまちなのもそのためです。
例えばカラー剤に混ぜて染めるだけの酸熱トリートメントと
シャンプー台やセット面でしっかりと行うプロセスの酸熱トリートメントでは
手間も時間も異なります。
酸を使った施術=酸熱トリートメントというのが今の日本での解釈ですね。
なぜ?酸熱トリートメントで悲しい思いをしてしまうの?
実際に酸熱トリートメントを体感された方の中には一定数、不満を感じられている方がいらっしゃることも事実です。
仕上がりがイマイチ・・・。ならまだしも酸熱トリートメントをやったらバサバサになってしまったというお声や複数回高額なトリートメントを継続したのに効果を感じられないといったお声も伺っております。
なぜそのような失敗が起こるのでしょうか?
考えられる原因は次の通りです。
- 酸熱トリートメントを縮毛矯正に置き換えて施術している
- 酸熱トリートメントに過度な期待を抱いている
酸熱トリートメントを縮毛矯正に?
嘘のような話ですが酸熱トリートメントに取り組むサロンの中には縮毛矯正の薬剤の中に酸を入れることを酸熱トリートメントと呼んでいるお店もあります。
確かに癖が伸びて納まりが良くなるという効果は期待できるかもしれません。
でも、それって縮毛矯正ですよね。
縮毛矯正をかけるつもりのないお客様が体感した場合にはある程度の満足感を得られるかもしれませんが、トリートメント感覚で短期間に繰り返していたら必ず事故が起こります。
またダメージに悩むお客様が施術したら髪の毛はさらに痛みますよね。
酸熱トリートメントの施術前には縮毛矯正であるのかを必ず確認することをお勧めします。
美容師側もお客様側も期待値が大きすぎる
酸熱トリートメントでどんなくせ毛もピカピカツルツル〜と過大広告をSNSに掲載し続けた結果、プロも素人も髪質改善はとても良いものだ!と認識してしまいました。
でも実際はトリートメントしたものをアイロンで仕上げた状態を掲載しているのでイメージと仕上がりにギャップが出ることは目に見えています。
縮毛矯正は別としてSNSで見かける酸熱トリートメントや髪質改善の仕上がりは前提としてアイロンが使われているということは理解をしておきましょう。
酸熱トリートメントは良いもの!問題は使い方、伝え方
酸熱トリートメントは優れた施術であることは間違いありません。僕自身、とても重宝してお客様に使っております。
適材適所で使えているか?お客様側が理解して使っているか?という事が大切だと思います。
どんな髪質の方でも酸熱トリートメントを使っておけばOKと安易に使えば一定の効果を実感できないお客様もいらっしゃいます。
酸熱トリートメントは選択の1つでお客様の髪質にマッチさせるのは美容師です。
マッチすれば満足いただくことはできますし、マッチしなければ満足いただくことはできません。
それが全てだと思います。
ご相談はお気軽にお申し付けください。