お客様実例

【コスメストレートで失敗?】癖が伸びなかった原因と落とし穴を解説

お客様
お客様

2週間前に髪に優しいと言われている『コスメストレート』という縮毛矯正を行いました。

結果は見事に惨敗で癖は伸びずにゴワゴワのダメージだけが残りました。

施術から間もないのですが縮毛矯正をかけていただくことはできますか?癖を伸ばすことはできますでしょうか?

美容師
美容師
それは残念な思いをしてしまいましたね。

癖を伸ばすことは可能です。是非お任せください。

コスメストレートは縮毛矯正と同等のダメージリスクがあり、縮毛矯正よりも癖を伸ばす力が劣ります。

無理にかけようとすればダメージは大きく現れますし、トリートメント目的に使用するにはリスクが高すぎます。

 

つまりコスメストレートをやるくらいなら縮毛矯正をかけたほうがローリスク、ローダメージでの施術が可能です。

 

美容師
美容師

優しそう、痛みにくそうといったイメージだけで施術を選んでしまうと取り返しのつかない状況に陥ってしまうこともあります。

美容師側も痛まないと錯覚している方も多いようですが、普通に痛みます。

使い方を間違えれば縮毛矯正よりも圧倒的に痛みます。

 

だからこそ、選ぶ側の皆さんが見極める目を持つことで自分の髪の健康を守る必要があります。

甘い言葉に騙されずに担当の美容師さんのいっていることを信じることができるのか?をしっかりと見極めましょう。

 

目次

【コスメストレートで失敗?】施術前の状態

美容師
美容師
まずは施術前の状態を見ていきましょう。

施術履歴は次のとおりです。

  • 2週間前にコスメストレートをかけた
  • 量を減らすために予想以上に軽くされた
  • ヘアカラーを3ヶ月に1度のペースで行っている

ご来店時の様子を見る限りだと確かに癖は伸びていないように思います。

濡らした時にはかなりのウェーブバック(癖戻り)を感じました。

 

4ヶ月前にも縮毛矯正をかけられていたそうですが、癖の範囲から想像してその時も癖が伸びていなかったと予想しました。

 

上記のことから伸びにくく、また癖が戻りやすい髪質だと想定しております。

仕上がりの状態

美容師
美容師
仕上がりの状態です。

癖をしっかりと伸ばすことができました。

根元は縮毛矯正を、中間〜毛先はダメージケアも兼ねて髪質改善+縮毛矯正で全体の癖をリセットさせております。

美容師
美容師

髪の毛を触ってみると癖は強いものの柔らかく、軽い印象を持ちました。

この場合はダメージが出やすいことから薬剤の濃度を下げたことで前回は癖が残ってしまったのかもしれませんね。

カットに関しては毛作が薄くなりすぎて一部欠損してしまっておりますが、これは長期的な修正が必要だとお伝えをさせていただきました。

詳しく解説をしていきます。

コスメストレートとは

薬機法の定義では化粧品とは人の髪の毛や身体を清潔にして美化し、魅力を増し、容貌を変えて健やかに保つために使うもので、作用が緩和なものとされています。

これに対して医薬部外品は、一定の予防効果を厚生労働省によって認められたもので医薬品よりも作用は緩和なものです。薬用化粧品はこの医薬部外品に該当します

化粧品と医薬部外品の違いを徹底追及より引用

お客様
お客様
ちょっと意味がわかりません
美容師
美容師

そうですよね 笑

化粧品登録の薬剤の方が優しい成分を使用していると認識してもらえればOKです。

コスメストレートとは化粧品登録されている薬剤を使用した縮毛矯正のことを言います。

 

一般的な医薬部外品の薬剤よりも弱い成分を使用して縮毛矯正をかける事ができるものが特徴という事ですね。

コスメストレートだから安全という発想が失敗を招く

美容師
美容師
では、本当に化粧品登録されている優しい成分を使用して縮毛矯正を行う事が良い事なのでしょうか?

縮毛矯正のダメージの指標を決めるのはpH(ペーハー)というものになります。

髪の毛は本来5番前後に位置していて、そこが最もダメージのない状態です。。

数字が高くなればなるほどに髪の毛には大きな負荷がかかりダメージにつながると認識してください。

 

1番有名な某メーカーのコスメストレートの薬剤の場合、pHは8.8というところに位置しております。

縮毛矯正の薬剤の場合はどんなに強いものでも10未満ですので8.8というものは強い薬剤に匹敵します。

美容師
美容師
ちなみに今回の施術でお客様に使用したものはpH6.9の薬剤になります。

7番より低い位置の薬剤は酸性域と呼ばれダメージがかなり少ない1つの指標となります。

 

つまりコスメストレートだから痛まないという発想ではなく、pHが高く設定されていればダメージは発生するという事です。

そしてコスメストレートはpHを高く設定しなければ縮毛矯正の薬剤としては使えないというものであり、結果としてコスメストレートを使用する上でダメージは免れないということになります。

薬剤とpHのバランス

【コスメストレートで失敗?】癖が伸びなかった原因と落とし穴を解説

縮毛矯正の薬剤の強い・弱いは成分×pHで決まります。

 

弱い成分でできているコスメストレートとだからこそ強いpHが必要になります。

美容師
美容師

前回の施術では薬剤の成分が優しいもので癖は伸びず、高いpHに触れた事でダメージが大きく出たということになります。

優しい成分を使用しているというキャッチコピーは確かに魅力を感じますが、

優しい成分を使って癖を伸ばすために無理やりpHを高く設定しているというものが

コスメストレートの正体となります。

 

それであれば優しい成分でなくとも医薬部外品の成分+低く設定されたpHの方がダメージも少なく仕上がりも綺麗になります。

コスメストレートでは癖は伸ばしにくい

美容師
美容師
コスメストレートに使用されやすい化粧品登録されている成分はシステアミン(優しい成分と呼ばれているもの)というものになります。

 

結論から言えばシステアミンはカールを作ることは得意ですが、癖を伸ばすことは苦手です。

つまりパーマには適した成分ですが、縮毛矯正には適していません。

 

ただシステアミン以外の成分を使用するとなるとコスメストレートとしては認定されないので、癖を伸ばす事が苦手なシステアミンを無理やり高いpHでパワーアップさせて使用しているという事がコスメストレートです。

 

上記をわかっていればシステアミンを縮毛矯正に使うことは まず考えないので、コスメストレートを推しているお店は信用ができないという判断基準になると思います。

システアミンという成分が悪いわけではありません。

使い所の問題だと思っているので、あくまでも縮毛矯正に関しては適していないという一個人の美容師の意見です。

【コスメストレートで失敗?】癖が伸びなかった原因と落とし穴を解説 まとめ

結論から言えば癖を伸ばす目的でコスメストレートは行うべきではありません。

 

癖を伸ばしたいのであれば縮毛矯正が適しておりますし、髪の負担軽減には髪質改善を行う事がベストでしょう。

 

コスメストレートでは癖毛をストレートにする事が難しいですし もし、しっかりと癖が伸ばせるのであればpHを高めているので通常に行う縮毛矯正よりもダメージが大きい可能性があります。

 

最近では酸熱トリートメントでも同じような話題が上がっておりましたが、結果的には安易な言葉や写真だけの仕上がりには騙されない事が自分の髪の毛を守るためのたった1つの防衛策だと思います。

 

自分に何が適しているのか?癖が伸びずに困っているなどお困りの方は是非ご相談ください。